ガーディスト~君ヲ守ル~
第2章 秘密のデート
「あたしの邪魔をしないで」
つぐみは強い口調で言ってきた。
(やっぱりさっきの…!)
「…君は、誰なんだ?」
「あたしは…」
「東つぐみか?」
「……違う!」
つぐみは首を激しく左右に振った。
「あたしは……つばき、だよ」
つぐみ…いや、『つばき』はハッキリとそう答えた。
(…つばき…)
これはどういうことだ?
1人の肉体に、2人の人格が入っている?
それとも…。
俺の疑問より先に、『つばき』が話し始めた。
「あたしは探さなきゃいけないの…」
「何をだ?」
「あたしの体」
「…」
「あたしはどこから来たのかわからない…気づいたらここにいたの。でもこれはあたしじゃない、あたしの体を探さなきゃって…」
「…」
「だけど、どうしてもここから出られないの。だからあたしはこの人の身体を使って探すことに決めたの。でもあたしが動けれる時間は限られてる…。だからあたしの邪魔をしないでほしいの」
俺は確信した。
これは多重人格者ではない。
つぐみの身体に、『つばき』の霊が憑依しているんだ…。
「自分が生きてるのか死んでるのかも、わからないのか?」
コクン、と『つばき』は頷いた。