ガーディスト~君ヲ守ル~
第12章 慈愛
「…ふん」
警官は鼻で笑い、周りを見渡した。
残ってるのは、意識を失った祐司と呆然と立ち尽くしてるつぐみ、看護士、護だった。
護はチッと舌打ちし、呆然と立ち尽くしているつぐみの腕を掴んだ。
「しっかりしろ、東さん!!ここから逃げるぞ!!」
動こうとしないつぐみの腕を、護は無理やり引っ張った。
「いや…いや…朝比奈さんがっ…」
「圭吾の死を無駄にすんじゃねぇよ!!」
ビクン、とつぐみの体が震えた。
朝比奈さんが…死んだ?
それでも動こうとしないつぐみを、護は横抱きにした。
そして看護士にも逃げるように指示をする。
「…フフ、逃がさないよ?」
そう言って警官は、護たちの方に銃口を向けた。
パンッ パンッ
「…っ!」
二度銃声はするが、なんとか外れたようだ。
護はつぐみと看護士に弾が当たらないように、自分が盾になりつつ走った。
足の痛みなど気にする余裕もない。
「ふん、逃げたか…」
警官は追いかける気はないようだ。
圭吾は倒れたまま動かない。
祐司も意識を失っているようだ…