ガーディスト~君ヲ守ル~
第12章 慈愛
警官はゆっくりと祐司に歩み寄った。
片膝をつき、しゃがむ。
瞼を閉じている祐司をしばらくジッと見つめた。
「…フフ…人間って無力だよね…。武器を振り回せば簡単に死んでしまうし、簡単に取り憑かれる。弱い生き物だよ」
静まり返った廊下に、警官の声だけが響く。
銃声の音がしたからか、他の病人たちは部屋から出て来なかった。
「…こんなことが出来るなら、ボクはもっと早く死ねば良かったよ…」
フッと警官の表情から笑みが消える。
「ボクはね…望まれて生まれてきた子じゃなかったんだよ…。母親がどこの馬の骨ともわからない男に強姦されて出来た子なんだ」
一呼吸し、再び話し始めた。
「愛情なんてなかった。毎日睨まれ殴られ、死なない程度に食べ物を与えられないこともあった…あの女は、復讐するためにボクを産んだんだ。
だからボクはずっと、あの女を殺すことだけを考えて生きてきた…」
警官はフッと苦笑した。
「…なのにあの女は、自ら命を絶ったんだ
、ボクの前で…泣きながら……ごめんねって……」
震えた左手をグッと握りしめ、
「ボクがこの手で殺したかったのに…!!」
はあ…とため息を漏らした。
「…それからボクは…ずっと一人だった…
何のために生きてるかわからなくなって、自殺した…。
だけど死んで終わりなんかじゃなかった…
ボクはまだここにいる。
ずっと一人でさまよっている…
…だから、祐司くんと出会えて嬉しかった」
警官はそっと祐司の頬に触れた。
「ボクに気づいてくれて、嬉しかったんだ…」
片膝をつき、しゃがむ。
瞼を閉じている祐司をしばらくジッと見つめた。
「…フフ…人間って無力だよね…。武器を振り回せば簡単に死んでしまうし、簡単に取り憑かれる。弱い生き物だよ」
静まり返った廊下に、警官の声だけが響く。
銃声の音がしたからか、他の病人たちは部屋から出て来なかった。
「…こんなことが出来るなら、ボクはもっと早く死ねば良かったよ…」
フッと警官の表情から笑みが消える。
「ボクはね…望まれて生まれてきた子じゃなかったんだよ…。母親がどこの馬の骨ともわからない男に強姦されて出来た子なんだ」
一呼吸し、再び話し始めた。
「愛情なんてなかった。毎日睨まれ殴られ、死なない程度に食べ物を与えられないこともあった…あの女は、復讐するためにボクを産んだんだ。
だからボクはずっと、あの女を殺すことだけを考えて生きてきた…」
警官はフッと苦笑した。
「…なのにあの女は、自ら命を絶ったんだ
、ボクの前で…泣きながら……ごめんねって……」
震えた左手をグッと握りしめ、
「ボクがこの手で殺したかったのに…!!」
はあ…とため息を漏らした。
「…それからボクは…ずっと一人だった…
何のために生きてるかわからなくなって、自殺した…。
だけど死んで終わりなんかじゃなかった…
ボクはまだここにいる。
ずっと一人でさまよっている…
…だから、祐司くんと出会えて嬉しかった」
警官はそっと祐司の頬に触れた。
「ボクに気づいてくれて、嬉しかったんだ…」