ガーディスト~君ヲ守ル~
第12章 慈愛
「だから……ボクの邪魔をするなぁ!!!!」
廊下に怒号が響き渡った。
「うわあぁぁあああ!!!!」
警官は顔を歪ませながら、圭吾に殴りかかった。すかさず圭吾は、スッとかわし、右足で警官の足を引っ掛ける。
警官はバランスを崩し、ズダンッと音を立てて床に転倒した。
「う…」
床にうつぶせになっている警官。
ふと、目の前に気配を感じた。
顔を上げると、そこにいたのは祐司だった。
「ゆう…じ…くん…」
祐司は優しい顔をして、警官を見つめた。
「やっと思い出したんだ…お前の名前を」
「…っ」
「ハル」
警官は目を見開いた。
遠い記憶が蘇る…
『あのね、ボクはハルって言うんだよ』
「ハル…」
『うん』
「ハル、ずっと友達だよ」
『うん、約束だよ』
そうだ…
忘れていた…
ボクの名前は『ハル』