ガーディスト~君ヲ守ル~
第12章 慈愛
ハルは、祐司の前に立った。
『ありがとう…祐司くん。
ボクの名前を呼んでくれて…』
祐司は瞳を閉じて、首を横に振った。
「お前と向き合えなかったのは、俺の弱さからだ。長い間苦しませてすまなかった」
その言葉に、ハルは切なく微笑した。
『ボクの方こそ色々振り回してごめんね…
祐司くんのお父さんのこと…』
「……」
『…ボクは祐司くんが羨ましかったのかもしれない…羨ましくて、ボクと同じように悲しませてやりたかった。もう元には戻らないけど…だけど…』
ハルは祐司の背後を指差した。
『ちゃんと君を守ってるから。ずっと守っていたから…』
「…ああ」
祐司は、穏やかに微笑した。
『ハル…』
母親は、ハルの手を取った。
2人の魂は、上へ上へと登っていく。
トモダチになってくれて、
ありがとう…
ハルの想いが、心の中に響いた。