ガーディスト~君ヲ守ル~
第12章 慈愛
「やっと、終わったな」
圭吾はフゥッと息を漏らした。
そして手に持っていた拳銃を、気を失っている警官の元に戻した。
「…圭吾先輩、ありがとうございます」
「気にするな。それより祐司、大丈夫な
のか?」
圭吾は、祐司の右太ももに目を向けた。
縛ってある手拭いは、真っ赤に染まっていた。
「大丈夫ですよ…これくら…」
言いかけて祐司の体はふらつく。
圭吾は、とっさに祐司の肩を掴んだ。
「歩けるか?」
「すみません…」
圭吾は祐司の体を支え、歩き出した。
その時…
「ゆーじ!!」
後方からつばきの叫び声が響いた。
振り向くと、うっすらと目に涙を溜めながら、つばきがこちらに走ってくる。
「つばき…」
その姿に、祐司は安堵の表情を見せた。
つばきは、祐司の目の前で足を止めた。
「ゆーじ…あたし…戻れたよ?」
つばきは震えた声で話す。
「…あぁ」
祐司は穏やかに微笑した。
そして…
つばきの後頭部に手を回し、グイッと自分
方に引き寄せた。
「!」
「本当に…良かった」
突然のことに、目を丸くするつばき。
ヒュウッと、圭吾は口を鳴らした。
「ゆ…じ…、あの…」
顔を真っ赤にさせながら、つばきが口を開くと、突然祐司の全体重が体にのしかかった。
「ゆーじ!?」
とっさに圭吾が支える。
祐司の顔色は真っ青だった。
「ゆーじ!!」
祐司の意識が薄れていった……