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ガーディスト~君ヲ守ル~

第14章 それぞれの道

乙姫の別荘に着くと、富士子とレオンが玄関まで出迎えてくれた。




「富士子さん!」




つばきはまっすぐに富士子のもとに駆け寄った。




「つばきちゃん、お帰り」




富士子は穏やかに微笑した。
つばきの姿を見ても動じない。




「ただいま」




この人は、全てを話さなくてもわかってくれるんだ…




つばきは安心して、満面な笑みを浮かべた。




「あら、あなたは?」




富士子は、つばきの隣にいる美夏に話しかける。




「あたしの親友の美夏ちゃんです」




「あ、篠田美夏です」




美夏は目をキョロキョロしながら答えた。




「美夏ちゃんね、いらっしゃい、ゆっくりしていってね」




「は、はい」




美夏は戸惑いながら、案内をする富士子を見た。




「富士子さんって、めっちゃ綺麗だね!!」




そしてつばきに耳打ちする。




「うん、大人の色気あるしねっ」




つばきもコソッと言うと、




「胸もでかいしな」




隣でボソッと護が言った。




「はあっ!?」




美夏が護の発言にキレる。




「なんだよ、本当のことだろ」




「てか、女子の会話に入ってくんじゃねーよ!!」




ドカッ!!




「○×★※△!!!!!!」




美夏の右足が、護の左太ももにヒットした。
護は涙をこらえ、その場にうずくまる。




「え?そんなに痛かった?」




「み、美夏ちゃん…まもちゃん怪我してるんだよ」




「え!!そうなの?ごめん…」




「まあ、自業自得でしょう」




ははは、と笑って去っていく乙姫。




祐司も苦笑して、護を見た。




「…大丈夫?」




心配して顔を覗き込む美夏。
護はチラッと美夏の顔を見上げた。




(すぐキレるし言葉使いもわりぃけど、そういう顔は可愛いんだよなぁ…)




いわゆるツンデレってやつか?





「…ほら」




照れくさそうに美夏は、手を差し伸べる。




「今度からは気をつけるから」




護はクスッと笑った。




(もしかして俺にもやっと春が来たかな?)







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