ガーディスト~君ヲ守ル~
第4章 バイト
翌日。
護はデスクでうなだれていた。
「大丈夫ですか、護先輩」
祐司が声をかける。
「俺は死んだ…」
「生きてるじゃないですか」
「…」
「昨日、山に行ったんですよね」
圭吾は紙コップのコーヒーを机に置きながら言った。
「山、ですか?」
「ええ。山のぼって滝行してきたらしいんですよ」
圭吾はクスッと笑った。
「あれは死ぬ…
いや、死ななかったのが奇跡だ…!」
祐司は、護を哀れんだ。
「そういえば、東さん…あれからどうなったんでしょうね」
圭吾が話題を変える。
「ちゃんと除霊できたのかな」
「…」
俺の読みが正しければ、もう一度ここに来るだろう…
祐司はそう思った。
そんな祐司を、圭吾はデスクから見守った。
「そうそう、祐司くん。これあげるよ」
圭吾は分厚い本を、祐司に手渡す。
「パソコン入門書?」
「やっぱりパソコンはできないとねっ」
にっこり笑う圭吾。
「…どうも」
祐司はとりあえず礼を言った。
(パソコンか…一番苦手だな…)