ガーディスト~君ヲ守ル~
第5章 姿をうつすもの
「あの…彼がどこに行ったか知りませんか?」
「知り合いじゃないの?あなたと同じ制服着た子と一緒に来たけど」
制服?と思って、『つばき』は自分の服装を見た。
白いブラウスにチェックのベスト、タイトスカートを着用していた。
「この制服の会社わかりますか?」
「確か13階のカリーヌさんよね」
「ありがとうございます!!!」
つばきはお礼を言うと、一目散に部屋を出て行った。
「会社名がわからないなんて…やっぱり病院勧めた方が良かったかしら…」
看護師は不安そうに『つばき』の後ろ姿を見送った。
エレベーターに乗って13階につくと、『つばき』は辺りをキョロキョロと見回す。
「あれ、東さん!?」
突然、背後から声をかけられた。
振り向くと、スーツを着た長身の男性が驚いた顔をして立っていた。
(あれ?え~…と、この人どっかで…)
考えてると、先に向こうから話しかけてきた。
「俺ですよ、ボディーガードの白石護です!」
「あ!!」
(失神した人だ!!)
「思い出してくれましたか~?あれからどうなったか気になってたんですよ!」
(あ…そっか。この人はあたしと会ったことないんだっけ。
なんとか話合わさないと…)
「まぁ…色々あって…」
「そうですか~。でも元気そうで良かったです!!」
そう言って護は、ニコッと笑った。
「あ、俺、このフロアで警備してるんだけど、東さんは…」
そう言いかけて、何かに気づく。
「あれ?その制服…健康食品会社の制服じゃないっすか?」
「え?」
「俺が警備してるとこなんですよ」
「え!?」
「さっき、いました?全然気づかなかったです」
(だからゆーじが運んでくれたんだ…)
「仕事見つかって良かったですね!!
…あ、でも良くないか…」
「どうしてですか?」
「あれ?知らないんすか?ここ出るってこと…」
「ええっ!!」
(…って、あたしも今は幽霊だけどさ…)
「今まだ調査中なんですけどね…あ、中まで一緒に行きますか?」
「あ、はい」
『つばき』は護の後を着いて行った。