ガーディスト~君ヲ守ル~
第6章 束の間の休息
あれから祐司たちは焼肉店に来ていた。
『つばき』が、「お腹すきすぎて動けな~い」と言ったからだ。
「か~!仕事の後の一杯はうまいな!」
ゴクゴク喉を鳴らして、生ビールを一気飲みする護。
「ほどほどにしてくださいよ」
祐司は烏龍茶を飲みながら言った。
「い~んだよ!報告書は明日でいいって社長言ってたし」
「そうだよ~、ゆーじも呑めばいいのに~」
『つばき』はカルビを口にしながら言った。
「おい、あんまり食べ過ぎるなよ」
「え~めちゃくちゃお腹すいてたから、それはムリ~」
そう言って『つばき』はまたカルビを口にポイッ。
「な~んか祐司、つばきちゃんの前だと素になるんだな」
ニヤニヤしながら護が言うと、
「は?何言ってるんですか」
祐司は生肉を網に置きながらとぼけた。
「全く素直じゃないんだから…」
「あっ、護さん。ビール頼みます?」
「おう♪頼むね、つばきちゃん」
「お待たせしました~」
テーブルにはどんどん肉が並べられる。
護はビールをグビッと呑んだ。
『つばき』もジョッキに入った白い液体を飲む。
「ん?つばき…何を飲んでるんだ?」
「え?これだよ?」
『つばき』はドリンクメニューを指差す。
「ばっ…これはカルピスサワーだぞ?!」
祐司は『つばき』からグラスを取り上げる。
「カルピスだからいいじゃん」
「酒が入ってんだよ!」
2人のやりとりに、護がプッと笑った。
「祐司ぃ、完全につばきちゃんのペースに乗せられてるねぇ」
「…」
「俺はさぁ…ひそかにお前には感情がねぇと思ってたんだわ。だけど安心した、お前でもそんな顔すんだな」
そう言って護はニカッと笑った。
「護先輩…」
祐司は少し照れくさそうに微笑した。