ガーディスト~君ヲ守ル~
第6章 束の間の休息
エントランスまで行くと、数台のタクシーが停まっていた。
「今日はありがとうございました…」
つぐみはそう言ってすぐ、タクシーに乗り込んだ。
「お気をつけて」
祐司はタクシーが見えなくなるまで見送った。
会場に戻ると、護が話しかけてきた。
「あれ?東さんは?」
「帰りました」
「そうなの?! 祐司、なんかしたんじゃねぇの?」
護の言葉に考えこむ祐司。
「おやおや、トラブルですか?」
そこへ乙姫登場。
「あっ、社長、今までどこにいたんすか?」
「奥様方と話してたんだよ♪」
すると背後から、圭吾も登場。
「圭吾!お前もどこ行ってたんだよ!」
「俺?ご婦人と甘~いひとときを」
圭吾はクスッと笑った。
「はあ?この女好きがっ」
「そういう護は、どうだったんだ?」
圭吾が聞き返す。
「全滅だよ、祐司誘ったけど乗ってこねぇし」
護はハァッとため息をついた。
「祐司くんはずっと東さんといたんですか?」
圭吾が聞くと、祐司は頷いた。
「東さん…帰ったんですね。何かあったんですか?」
「ちょっと、傷つけてしまいました…」
「そうですか…祐司くんは優し過ぎるところがありますからね」
圭吾は苦笑した。
「罪な男だな!」
「恋は曲者、ですね♪」
皆、口々に言う。
「祐司くん…」
乙姫が口を開いた。
「祐司くんが守りたいのはどっちですか?」
「え…」
「つぐみか、つばきか…」
乙姫は微笑した。
俺が…
守りたいのは……