
二度目の初恋
第1章 カレシ
「気になるし!どの人か教えてね」
「ええ~…?」
そう言いながらも、連れていってくれる紘夏。
ちょっとぶりっこだけどいい親友だ。
「4組なら階段降りたらすぐだね」
「うん」
そして、4組。
「どれー?」
教室を覗き込みながら聞く。
「えっと、あれ!あの窓側の二人で喋ってる座ってる方!」
座ってる方…………。
「…………へえ。あれかー」
「かわいいでしょ?」
「えっと、簡単に一言で言えば、微妙」
「ええっ!!何で!?」
だって微妙なんだもん。
別に顔は普通って言うか、その辺に居そうっていうか…?
とにかく微妙!
「でも、見れたからいいや。そろそろ授業始まるし、戻ろう」
「ちょっと、彩葉!!」
騒ぐ紘夏を置いて教室に戻ろうとすると、走って追いかけてくる。
…………彼氏、かぁ。
