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二度目の初恋

第3章 *バレンタインと告白*

俺が掴んだ瞬間、久賀がビクッとする。


久賀の腕は細すぎて、力を入れたら折れてしまいそう。




「………っ」


途端に久賀の手が震え始める。

何か、様子がおかしい?


「久賀?どうしたんだ?」


俺の声にはっとしたように俺の手から離れる。



「……何でもない」

視線を合わせずに言う。

「お前、震えてたぞ?」


久賀が人の目を見ないなんて普通じゃないだろ。


「寒いからだよ!……松本こそどうしたの?」


明らかに取り繕ってる。
なんだ?


「用事あるんでしょ?」


次にそう言った久賀はいつものように俺と視線を合わせてきた。


「あ、ああ」


久賀の態度の変わりように、少し戸惑ってしまう。


でも、久賀が何でもないって言うなら俺がいろいろ言うことじゃないよな。



「お前さ、今日このあと何かあんの?」


気を取り直してそう言う。



「このあと?家に帰るだけだけど」



「じゃあさ、一緒に帰ろうぜ」

「あ、…うん?」


久賀が不思議そうに返事をする。


「陽翔が彼女と帰ったから一人なんだよ」


「陽翔?」


あ、陽翔のこと知らないんだな。

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