平和のために
第9章 名前
次の日も病室へ行った
正直相槌を
打ったり打たなかったりで
絶望的だった
その次の日も行った
光先輩は窓の外を
見ているだけだ
「先輩…こんにちは」
「こんにちは」
「あの…調子はどうですか」
「大丈夫」
言葉は返してくれる
でも…そこに光先輩はいない
涙が出そうになった
必死に言葉を探す
「あの…
今日も文化祭の準備が
あったんです
それで私のクラスは
面白いもの出そうってなって
お化け屋敷にしたんです
あ、これは当日まで
秘密なんですけど
お化け訳指導にタケ…あ、
転校生が回ってくれて…」
この時光先輩が初めて
反応を示した