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トライアングル・ラブ -素直になれなくて-

第2章 出会い



「暖かい天候に、満開に咲く美しい桜。今日は入学式ピッタリの日となりました…。」


可愛らしい声で代表の言葉を読みあげる姫奈。

前で寝ていたヤツも、顔を上げ、姫奈の姿を探しているようだった。


「あの子、可愛くね?何組?」

「多分1組じゃね?」


どこからともなく聞こえてくる男子たちの噂話。


やっぱりアイツは一目置く存在なんだな。


さっきはあんなにキャピキャピしてたのに、今は一生懸命、生徒代表の言葉を読む姫奈の背中を俺は静かに見つめた。

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