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トライアングル・ラブ -素直になれなくて-

第4章 涙



録音…してるわけねーじゃん。
俺はケータイを再びポケットに入れ直し、倉庫に足を急がせた。


角を曲がった瞬間、倉庫からちょうど姫奈が現れた。

俺は反射的に身体を隠した。


何故なら…アイツの頬に涙が伝っていたから。


「…っ。…っ。」


声を殺して啜り泣いても、皮肉にもそういう声ほど響いてしまう。


見られたくない涙…。
知られたくない涙…か。

アイツが今流している涙はそれなのかも…な。

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