テキストサイズ

添い寝フレンド

第1章 添い寝フレンド(1)

彼女から唐突にmixiのメッセージが届いたのは去年の夏の始め。

「素敵なプロフィールですね。良かったら仲良くしてください。」

今にして思えば、なんてしおらしい文面だろう。
騙されたとは思わないけど彼女の性格を踏まえて読み返すと笑ってしまう。

僕はmixiでよく女性からメッセージをもらう。
知らない女性から仲良くして下さいと言われることには慣れているし、それなりの経験もしてきた。
だからこそmixiで出会いを意識している女性への警戒心は強い。

だけど、彼女のプロフィールは率直で、女性らしいというよりちょっと強気に感じられる性格に興味が持てた。
何より自分より1つ上という年齢が妙なリアルさを持って僕を惹きつけた。


初めて会ったのは彼女の部屋。
一人で飲んでもつまらないから、と僕が必要とされているのかいないのかよく分からない理由で会うことになった。
この頃にはメールでもすっかり彼女の性格が出ていたけどそれが逆に僕を安心させた。

住所を教えられ、地図で調べて直接彼女の部屋に向かう。
どこかに迎えに来てくれるだろうなんて期待は最初からしていなかった。

彼女の住むマンションは繁華街のすぐ裏手。
お世辞にも治安の良い地域ではないのに、セキュリティもないマンションは新顔の僕をすんなり招き入れた。

インターフォンを鳴らすと玄関のドアが開いて彼女が僕を出迎える。
想像通りの人だね、安心した。と少し笑った彼女の頬はアルコールのせいですでに紅潮していた。

彼女の言葉とは裏腹に、ショートパンツに白いTシャツ1枚というシンプルな恰好はまったく警戒なんてしていなかったんじゃないかと思わせる。
ショートパンツから伸びた白く張りのある脚は年上とは思えないほどだけど、けだるそうな仕草には年相応の色気があった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ