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好きって言わない距離

第19章 空回る心と体

食事を終え、電車に乗る。


私の降りる駅が近づく。


私はまだ離れたくない。


榊原君のメガネの横顔をチラッと見ると、胸がチクチクした。


「榊原君…」


「なに?」


「家寄ってく?」


「…誘ってんの?」


クスクス不適な笑みで言った。


「違う!離れたくないだけ。どうしてイジワルばっか言うの?」


私が素直に言ってるのにヒドい!


私は不機嫌になった。


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