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好きって言わない距離

第7章 初デート

観覧車がぐんぐん上がっていく。


周りの景色が遠くなる。


お互い向かい合わせに座って、前を向くと榊原君と目が合ってしまう。


ドキドキを隠したくて、やたらにお喋りになる。


「凄い!上から見るのって楽しいね」


「ああ」


榊原君はやけに無口だ。


「そろそろ一番高くなるね」


「・・・・あ」


「何?」


私の後ろを指差した。


「夕焼けだ」


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