テキストサイズ

星空の下。

第9章 最初で最後。

「んじゃ、茉里亜ちゃん。真緒さんに宜しく伝えておいててー。」

『はいっ。ありがとうございました。』

顔をひょっこりと窓から出した
美樹さんに返事を返した。

「瑠星!!茉里亜ちゃんの荷物を部屋まで運んであげなさいっ。」

後ろの席で
ずっと携帯をいじっている
りゅーちゃんに向かって美樹さんが言う。

「あぁ??」

「明日から外出禁止&お小遣いストップにするよ??」

チッと舌打ちをしながら
りゅーちゃんは車を降りた。

『大丈夫!この建物をエレベーターで上るだけだから!!』

正直、機嫌の悪い
りゅーちゃんと一緒にいたくないのが本音。

「いいから、いいから。瑠星、あたし待つの面倒だから歩いて帰ってきてー。」


「はぁぁ!?!?」

「茉里亜ちゃん。いつでも家に遊びに来てねー!!」


そう言って、美樹さんは暗い路地を
照らしながら行ってしまった。


.....。

昔のままだ、美樹さんは。

少しも変わってない。

それがほんのちょっとだけ嬉しいと
感じた。


「....部屋、何号室??」

『あっ、こっち、です。。。』


りゅーちゃんがいることを忘れてたよ。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ