
異種間恋愛
第17章 見守る人
手にかかる重みで目を覚ました。
右腕がベッドの下でなにかに包まれている。柔らかくて安心できるそれは手のようだ。
「……リア」
窓から差し込む明るい光がもう昼近いことを示している。
ベッドの横の床に脚を抱えるようにして座り、僕の手をしっかりと握っているリアからは規則正しい呼吸音が聞こえてくる。
手がしびれているのか感覚が全くない。どこからがリアの手でどこからが僕の手なのか分からない。まるで木の太い幹にふたりでなってしまったようだ。
「繋がってる。リアと」
このまま幹になってしまいたい。リアが長時間手を繋いでくれていたという事実がとんでもなく嬉しい。
リアは顎をベッドに乗せるようにして寝ている。閉じられた瞼と長い睫が可憐だ。
寝顔もこんなに可愛いなんて反則じゃないか。桃色の唇が小さく開かれていて……今にでもその唇を奪ってしまいそうになる。
そういえば頭痛が治まってきている。
ゆっくりと体を動かしリアの顔に自分の顔を近づける。
理性を手放したわけではない。近くで、近くでリアを見たいだけだ。
見るだけ。
そう頭の中で繰り返すのになぜか僕の鼓動は全力疾走した後のようにうるさく鳴り響く。
――コンコン
突然のノックの音と同時に扉が開かれた。
「え」
「あ」
扉の前に立っている彼と僕とが同じ反応を示す。
驚き。
ノックして反応がないのに急に部屋に入ってくるなんて、リアとどれだけ親しい仲なのだろう。
そう考えた瞬間、激しい感情が湧いてきた。こんな感情は初めてだ。
いくら相手があのティオン様であっても、許せない。
「何故ここに……」
アーモンドのような目をさらに見開くと澄んだ湖のような瞳が僕とリアとを交互に見つめる。
それで改めて客観的に今の僕とリアとの状態を考えた。
床に座り込むリアと手を繋ぎ、顔を近づけている。どう見てもこれは僕が今からリアを襲おうとしているようにしか見えないだろう。
かすめるようにしてリアの額に唇を乗せるとすぐに身体を離した。
「おはようございます。レオン様」
得意の作った笑顔を立ち尽くす彼に向けると彼の彫刻のような整った顔の額に皺が刻まれた。
右腕がベッドの下でなにかに包まれている。柔らかくて安心できるそれは手のようだ。
「……リア」
窓から差し込む明るい光がもう昼近いことを示している。
ベッドの横の床に脚を抱えるようにして座り、僕の手をしっかりと握っているリアからは規則正しい呼吸音が聞こえてくる。
手がしびれているのか感覚が全くない。どこからがリアの手でどこからが僕の手なのか分からない。まるで木の太い幹にふたりでなってしまったようだ。
「繋がってる。リアと」
このまま幹になってしまいたい。リアが長時間手を繋いでくれていたという事実がとんでもなく嬉しい。
リアは顎をベッドに乗せるようにして寝ている。閉じられた瞼と長い睫が可憐だ。
寝顔もこんなに可愛いなんて反則じゃないか。桃色の唇が小さく開かれていて……今にでもその唇を奪ってしまいそうになる。
そういえば頭痛が治まってきている。
ゆっくりと体を動かしリアの顔に自分の顔を近づける。
理性を手放したわけではない。近くで、近くでリアを見たいだけだ。
見るだけ。
そう頭の中で繰り返すのになぜか僕の鼓動は全力疾走した後のようにうるさく鳴り響く。
――コンコン
突然のノックの音と同時に扉が開かれた。
「え」
「あ」
扉の前に立っている彼と僕とが同じ反応を示す。
驚き。
ノックして反応がないのに急に部屋に入ってくるなんて、リアとどれだけ親しい仲なのだろう。
そう考えた瞬間、激しい感情が湧いてきた。こんな感情は初めてだ。
いくら相手があのティオン様であっても、許せない。
「何故ここに……」
アーモンドのような目をさらに見開くと澄んだ湖のような瞳が僕とリアとを交互に見つめる。
それで改めて客観的に今の僕とリアとの状態を考えた。
床に座り込むリアと手を繋ぎ、顔を近づけている。どう見てもこれは僕が今からリアを襲おうとしているようにしか見えないだろう。
かすめるようにしてリアの額に唇を乗せるとすぐに身体を離した。
「おはようございます。レオン様」
得意の作った笑顔を立ち尽くす彼に向けると彼の彫刻のような整った顔の額に皺が刻まれた。
