
異種間恋愛
第20章 契約の内容
「はい、どうぞ」
白い器に具だくさんのスープを注いで、ベッドの端の小さなテーブルに置く。
「ん。見た目はまともだな」
身体を起こしていたラドゥはベッドの端に座り、スープを一口飲んだ。
「どう? 食べれる?」
ラドゥは無言で野菜を噛んでから、顔を上げた。
「……旨い」
ぼそりと呟く小さな声はラドゥらしくなかったが、その一言がなぜかとても嬉しかった。
「よかったあ。ちゃんと栄養とって元気にならなきゃね」
「栄養など摂っても、元気になるのは俺じゃない」
スープを飲み終わったラドゥが以前のような冷たい表情になった。
「どういうこと?」
「……」
もしかして、左肩の痣となにか関係があることかもしれない。直感的にそう感じた。
「この体はもうじき俺の物でなくなる」
「な、に……言ってるの」
ラドゥの言葉にはなんの感情も籠っていない。
力なくうなだれ、床を見つめるラドゥは何を見ているのだろう。知りたい。
「ラドゥ、何か抱え込んでるなら私に教えて? 楽になるかもしれない」
「ならない」
「そんなこと言ってみなきゃ分からないじゃない」
ラドゥが顔を上げた。
私ははっとしてラドゥから目を逸らせなくなった。
目の前にいる青年は涙を流していたから。真っ赤な瞳から流れる涙は透明で、白い肌を伝い床にぽたりとこぼれた。
「話したところでどうしようもない。それでも、楽になると?」
「ラドゥ……っ」
思わず体が動いてラドゥを包み込む。
うずくまるラドゥを両手で抱えると、小さく震えていることに気が付いた。
あんなに堂々としていた王子とは思えないほど非力で弱い存在だ。
「左肩にある痣、見ちゃったの。私、あなたの力になりたい……。だから、教えて? 知るだけでも力にはなれるはずよ」
「リア」
私は名前を呼ばれてラドゥから身を離した。
「ラドゥ?」
「俺はもうすぐ消える」
そう言って話し始めた言葉に耳を疑った。
ラドゥが話した内容はこうだ。
白い器に具だくさんのスープを注いで、ベッドの端の小さなテーブルに置く。
「ん。見た目はまともだな」
身体を起こしていたラドゥはベッドの端に座り、スープを一口飲んだ。
「どう? 食べれる?」
ラドゥは無言で野菜を噛んでから、顔を上げた。
「……旨い」
ぼそりと呟く小さな声はラドゥらしくなかったが、その一言がなぜかとても嬉しかった。
「よかったあ。ちゃんと栄養とって元気にならなきゃね」
「栄養など摂っても、元気になるのは俺じゃない」
スープを飲み終わったラドゥが以前のような冷たい表情になった。
「どういうこと?」
「……」
もしかして、左肩の痣となにか関係があることかもしれない。直感的にそう感じた。
「この体はもうじき俺の物でなくなる」
「な、に……言ってるの」
ラドゥの言葉にはなんの感情も籠っていない。
力なくうなだれ、床を見つめるラドゥは何を見ているのだろう。知りたい。
「ラドゥ、何か抱え込んでるなら私に教えて? 楽になるかもしれない」
「ならない」
「そんなこと言ってみなきゃ分からないじゃない」
ラドゥが顔を上げた。
私ははっとしてラドゥから目を逸らせなくなった。
目の前にいる青年は涙を流していたから。真っ赤な瞳から流れる涙は透明で、白い肌を伝い床にぽたりとこぼれた。
「話したところでどうしようもない。それでも、楽になると?」
「ラドゥ……っ」
思わず体が動いてラドゥを包み込む。
うずくまるラドゥを両手で抱えると、小さく震えていることに気が付いた。
あんなに堂々としていた王子とは思えないほど非力で弱い存在だ。
「左肩にある痣、見ちゃったの。私、あなたの力になりたい……。だから、教えて? 知るだけでも力にはなれるはずよ」
「リア」
私は名前を呼ばれてラドゥから身を離した。
「ラドゥ?」
「俺はもうすぐ消える」
そう言って話し始めた言葉に耳を疑った。
ラドゥが話した内容はこうだ。
