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契約彼氏

第5章 *葛藤...





「夏目くん・・・!」



『美玲、』








陽飛を追いかけようとした美玲の腕を掴んだ亮。




美玲は咄嗟に振り向いた。










『戻ろう。お願いだから。』










亮ちゃんのことは大好き。



戻ればきっと亮ちゃんも二度と同じ過ちは繰り返さないと思う。










「私、変わった?」



『え?』



「可愛くなった?」



『うん。さっきも言ったけど、別れたこと後悔してる。』



「恋すると変わるもんだね、女の子って。」









掴まれた亮の手から自分の手を離した美玲。










「私がね、可愛くなろうって努力したのは亮ちゃんを見返したかったからなの。逃した魚はデカいって思わせたかった。悔しいって心の底から悔やんでほしかった。」



『悔やんでるよ。許してもらえるなら何でもする。これからは一生美玲を大切にする。だからさ、』



「もう遅いよ・・・・
私、亮ちゃん以外の人のために可愛くなろうって思ったの。その人の前だと自分でもビックリするくらいに可愛くなれるの。」



『美玲それって・・・・』



「ごめんね、もう行かなきゃ。」








亮ちゃんとはこれが最後ー・・・・




振り向かない。


甘えちゃダメ。










一歩を踏み出す勇気をくれた彼に会わなきゃー・・・・



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