契約彼氏
第6章 *好き...
「どうぞ」
「・・・え?」
「入って」
寝室に入るように促されて動揺する。
真っ暗な寝室には記憶の片隅に残るベッドとカーテンの隙間から照らす月明かりが雰囲気を醸し出すー・・・
「あの・・!」
「僕のこと信じられない?男として頼りない?」
「夏目くん?どうしたの?」
ぎゅっと抱きしめられたと思ったら、そのままベッドに倒れ込んだ。
「美玲ちゃんが何考えてるかわからない時があると不安になる。」
こんな甘えたことを言われて、相手が夏目くんじゃなかったらうざったくて仕方なかったと思う。
「僕でいいんだよね?」
「夏目くんあのね、」
夏目くんを前にすると年上の余裕なんてなかった。
嫉妬もするし、不安にもなる。
「私、夏目くんが好きすぎて怖いの。
どうしてあえて彼氏に捨てられた惨めな年上を選ぶのかなって・・・
美容師さんって若くて可愛い子が多いのに。」
「そんなこと?」
「・・・?」
「美玲ちゃん年上っぽくないもん。それに彼氏がいるなんて知る前から僕は元々美玲ちゃんのこと好きだったわけだし。同情なんかじゃないから。」