契約彼氏
第2章 *出逢い...
「人の不幸がそんなに楽しい?」
「こんなになるまでソイツが好き?」
「・・・・・・」
地面に倒れこんだせいか所々に汚れのついたワンピース。
手のひらの小さな切り傷がヒリヒリと痛みだす。
「そんなに好きだった?」
好きだったよ。
これ以上に居心地のいい人はいないと思ってた。
付き合ってきた4年間、数えきれないほど喧嘩して許せない部分もたくさんある。
それでも喧嘩の原因を今すぐ思い出せないほど、くだらなくて小さくて、亮ちゃんが大好きだった―・・・
「泣くなよ。」
彼の言葉で気付く。
私は今、亮ちゃんのために涙を流してる―・・・
「っ・・・悔しいよ・・・・・」
私の素直な気持ちだった。
こんなにも亮ちゃんを信じきった自分の気持ちを、どうやって整理したらいいのかわからない。
裏切られたショックよりも、これから先亮ちゃんのいない人生が考えられなかった。