契約彼氏
第4章 *イメチェン..
土曜日の朝、カラオケから出ると太陽の眩しさで目を細める。
「うわ、この時間に支店の前を通るうちらって・・・」
「24時間前にはここにいたんだね(笑)」
社会人になってから気付いた、金曜日がこんなにも待ち遠しいことと、土曜日がこんなにも明るく幸せな日であることを。
「じゃ、また月曜日!」
「うん!気を付けてね!」
「美玲も!お疲れー!!」
改札前で別れると私も自分の路線の方へと向かう。
花金明けの人たちがチラホラと路上で寝てたり、座り込んでたり・・・
こういう朝の光景も土曜日ならではだった。
大きな交差点で信号待ちしてた時、隣に並んだ人を横目で見た。
「・・・?」
「・・・美玲ちゃん!!」
このタイミングで、この場所で、まさか夏目くんと会うなんて思わなかった。
オール明けの私は化粧も崩れて、眠気MAXの中、物凄くヒドイ顔をしてるに決まってる。
「お疲れ・・・」
とりあえず軽く頭を下げて信号が変わるのを待つ。
今日だけは妙に待つ時間が長く感じた。
「美玲ちゃん、シャンプーして行かない?」
「・・・・シャンプー?」
突然の質問に夏目くんを見つめた。
「シャンプーの実技があるから、美玲ちゃんにモデルやってほしくて。」
「今日?」
「うん。」
「今から?」
「うん。」
時計を見ると8時過ぎー・・・
「朝練でやらせて?」
あまりに突然すぎて、眠気もあって頭が回らない。