契約彼氏
第4章 *イメチェン..
「お邪魔しまーす・・・」
中途半端に伸びた前髪も切ってくれることを条件に朝練に付き合うことにした美玲。
まだ誰もいない静かなお店へと入った。
「夏目くんが1番のり?」
「かなぁ?
いつも由季さんがいるんだけど。」
「昨日、一緒にいた人・・・?」
少しの間だけ考え込むと、思い出したようにいつもの笑顔を見せた。
「そうそう!
昨日カラーの練習に付き合ってくれたんだ。」
「仲いいんだね。ユキさんって人と。」
「仲いいって言うか、僕の指導員だからね。
美玲ちゃんが思ってるような関係じゃないよ。」
心を読まれたのかサラッと否定された。
「荷物、お預かりします。」
「あ、はい・・・」
急に仕事モードに切り替えられても、頭がついていけない上に知り合いにシャンプーされるなんて妙に緊張してしまう。
「では、こちらにどーぞ。」
「夏目くん、」
「ん?」
「私、寝ちゃうかも・・・
オール明けなの。」
シャンプー台に座ると念のため宣言しとく。
「いいよ、寝ても。
美玲ちゃんの寝顔好きだから。」
「やめてよっ・・!」
手際良く準備が終わり、ゆっくりと背もたれが倒された。