契約彼氏
第4章 *イメチェン..
由季奈さんは慣れた手つきで私の髪にハサミをいれていく。
パサッと落ちる髪の長さと量に不安を感じるが、ここまで来たら由季奈さんの言葉と技術を信じるしかなかった。
『前髪切るから、ちょっと目瞑ってて?』
ぎゅっと目を閉じると、神経が耳に集中して周りの話し声や物音がよく聞こえてきた。
開店と同時に次々と訪れるお客様を案内する夏目くんの声ー・・・
忙しそうに歩き回る美容師さんたちの足音ー・・・
『よし、じゃあ、パーマかけて、後で量は調節しよっか。』
由季奈さんの言葉で目を開けると、横に流してた前髪が眉下まで切り揃えられていた。
前髪だけでこんなに変わるなんて・・・
パーマかけたら誰かわからなくなったりしないよね?
鏡に映る自分を見つめてると、夏目くんがガラガラとパーマの道具を運んできた。
「それだけでも十分可愛いじゃん。」
「そ、そう?////」
『じゃあ美玲ちゃん、今からパーマかけるからね?
しみたりしたらすぐ言ってね。』
「はい、お願いします。」
夏目くんと由季奈さんが手袋をはめると私の髪を分け始めた。