契約彼氏
第4章 *イメチェン..
『美玲ちゃん、後ろもいじっちゃダメ?』
「えっ・・・?」
すっかり眠気も覚めて、鏡の前に座る私の髪をとかしながら由季奈さんは聞いてきた。
『私、美玲ちゃんのことをもっと可愛くする自信があるの。ダメかなぁ?』
「後ろも切るってことですか・・・?」
ずっと伸ばしてきたストレートの髪を切ることに正直抵抗を感じる。
ショートに憧れたこともあったけど、なんだかんだ結べるこの髪型にしっくりきてた。
『長さは10cmくらい切って、大きめの緩いパーマをかけようと思うんだけど。
もちろん、パーマも陽飛の勉強も兼ねてね。』
鏡越しに目が合った夏目くんが頷きながら目で合図する。
『美玲ちゃん、絶対に似合うと思うんだ。顔小さいし、目ぱっちりだし、お人形さんみたいになれると思う。』
「ほんとに、似合いますかね・・・?」
初のパーマに戸惑いもあるけど、ここまで自信のある美容師さんも珍しいし、夏目くんの前で変身する楽しみもあった。
『大丈夫!絶対可愛くなるから!』
この機会が、今の私を変えるチャンスかもしれない。
私が変れば人生も変わる。
「お願いします。」
『よしっ!イメチェンしよ!』
もしも可愛くなった私を見たら、亮ちゃんはどう思うんだろうー・・・
逃した魚はでかいと後悔する?