契約彼氏
第4章 *イメチェン..
「違う雑誌持ってこようか?」
「由季奈さん、いい人だね。」
「え?」
「あんなに素敵な人が同じ職場にいたら辛いよね。」
「それ、どういう『陽飛、B1シャンプー行ける?』
「あ、はい!
ごめん。いってくる。」
どうして?
素直に応援できない自分がいる。
『ちょっとパーマ剤の効き見るねー?』
ラップを少し捲ると、数本の髪を軽く引っ張った由季奈さん。
『うん、あと10分だけ待ってね?
そしたら陽飛に流してもらおっか。』
「由季奈さん!」
『ん?』
「私、彼氏に浮気されたんです。その彼氏を見返したくて・・・」
鏡を見てた私の前にひょこっと顔を出した由季奈さん。
大きな目で私を見つめながら優しく微笑んだ。
『大丈夫。今日にでもその元彼に会ってみ?絶対に後悔して泣きついてくるから。』
「ほんとに・・・?」
『その男もバカだねぇ。こんなに可愛い彼女がいて浮気するなんて・・・きっと今だって後悔してるよ。」
後悔したから戻ろうって言ったの?
あの謝りは本気だったの?
『でもこれだけは言っとく!
一度浮気した男はまたするよ。絶対に直らない。』
「由季奈さん・・・」
『私の経験談ね。
男は単純だからチヤホヤされてたいんだよ。
じゃあ、もう少し待っててね?』
私も由季奈さんみたいに強くなれるかな?
浮気されたことを他人に話せるくらい堂々としてられるかな?