契約彼氏
第5章 *葛藤...
金曜日ー・・・
待ち合わせ場所は何故か夏目くんの美容院で、お客でもないのに店のドアを開ける。
『いらっしゃ『あれ?美玲ちゃん!』
レセプションの人の言葉に被せて歩み寄ってきたのは由季奈さん。
その後ろからひょこっと顔を出した王子と目が合った。
「俺が呼んだんすよ。」
『陽飛が?なんでまた?』
「可愛く変身させるためっすよ。」
由季奈さんと目を合わせて首を傾げる。
変身?何のために?
「美玲ちゃん!こっち!」
とりあえず案内されるがまま椅子に座る。
「今日は俺の練習に付き合って。」
「練習?」
「まぁ見てて。」
何やら嬉しそうに道具を用意する夏目くんに何も聞けず、鏡の前で黙って座っていた。