「変態、近寄るな。」
第3章 「絢君の過去と秘密」
俺はそういって、涙で濡れる手を無理やり開き、飴をのせた。
彼女は、ただ、目を見開く。
そして、少し笑った。
「私、ハッカ味のあめは食べれないんです」
「え、あ、ごめん?」
「いいえ。でも、ありがとうございます。
ありがたく頂戴しますね」
何だか、可愛らしい女の子だ。
何故泣いていたのだろう。
考えていることが顔に出たのか、彼女が顔を歪める。
ハッカ味のあめは、ぎゅっと握りしめられて、しわになる。
「……聞いてくれますか、理由」
誰かに話したいのだろう。
俺は頷いて、傘に入るようたす。
「私、親友に嫌なこと言っちゃったんです……」
その言葉から始まる彼女の話。
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