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「変態、近寄るな。」

第3章 「絢君の過去と秘密」



「絢君は忘れてるみたいだけど……っ、
私と絢君は幼馴染み。
小学校三年まで一緒で、絢君が転校したの!」


それって、もしかして。

俺がハッとしたときには、彼女―――桐生 未琴は泣いていた。

傘から飛び出た未琴は、雨の中で遠慮なく泣く。




「ひぐっ、……っう、う、っ、あやくん」

繰り返し俺の名前を呼ぶ未琴。

胸が締め付けられて、ああ、これが恋か。
なんて突っ立ちながら自嘲する。

俺は好きな女の子を見分けることもできないのか……。

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