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金魚

第1章 一

 僕は指から上を水に沈めて行く。
ゆっくり、ゆっくり。
けして金魚を驚かせないように。
指が浸かり、手の甲が沈み、手首まで達した時、僕は動きを止めた。
小さな金魚鉢の中、侵入したものに気づいているのかいないのか、金魚は泳ぐ。

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