テキストサイズ

金魚

第1章 一

赤い尾鰭を揺らめかせ、ゆっくりと。
ゆらゆらと尾鰭が揺れる。
綺麗。
僕はゆっくりと指を閉じていく。
ゆっくり、ゆっくり。
そして金魚のからだに触れた瞬間、素早く指を閉じた。
手の中で、金魚がもがく。
逃げようと、必死に。
赤い尾鰭が激しく動く。
ピチャピチャと水が跳ねる。
僕はその動きに、音に 心地良さを覚える。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ