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金魚

第1章 一

僕はゆっくりと、指を開く。
手の中でぐったりとなった金魚を水の中に帰してやる。
生きているのなら、再び泳ぎだすだろう。
僕は鉢に顔を近づけ様子を伺う。
金魚は自らの重みで水中に沈んでいく。
水底に横たわったまま動かない。
死んでしまったようだ。

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