合縁奇縁〜ついてまわる運命〜
第2章 居場所
あの家にいるといつも息が詰まる。自分の居場所はそこにはなかった。居場所を作るのに必死だった。でも、あの朝、本当に自分の居場所が無くなったのだとはっきりと分かった。
「お前にはこの学校は合わない。いく価値はない。きっとすぐ嫌になるよ。」
12月上旬の寒い朝。朝ご飯の最中に取り出された南沢学院の名がはいった学校案内を見ながら全否定された。書きかけの願書はそれといっしょに引っ張りだされ、穴があく程にらまれる。
「私には私の行きたい学校があるの。ミナ兄にどうこう言われても変えるつもりはないから。」
願書を取り返すと、兄の聞いたことのない高校の名前を見て下を向く。やっぱり隠しておくべきだった。
「お前にはこの学校は合わない。いく価値はない。きっとすぐ嫌になるよ。」
12月上旬の寒い朝。朝ご飯の最中に取り出された南沢学院の名がはいった学校案内を見ながら全否定された。書きかけの願書はそれといっしょに引っ張りだされ、穴があく程にらまれる。
「私には私の行きたい学校があるの。ミナ兄にどうこう言われても変えるつもりはないから。」
願書を取り返すと、兄の聞いたことのない高校の名前を見て下を向く。やっぱり隠しておくべきだった。