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第1章 リセット

ある日不思議な男に出会った。
「あなたにこのスイッチを渡します。」
 いきなりなんだ?変質者か?
「このスイッチは時間をリセット出来ます。1分前、1時間前、1日前、このいずれかお好きな時間にね。ダイアルを調整して合わせて下さい。」
 そんな馬鹿な話があってたまるか。
「一つ約束です。1ヶ月後、このスイッチを返して下さい。私はこの場所で待ってますので。」

 そう言って男は立ち去った。いくらなんでも信じられる訳が無い。悪い悪戯か何かだろう、そのくらいにしか思わなかった。

 「なんなのそれ?」
婚約者の玲奈がこの怪しい物について聞いてきた。事情を説明すると彼女は馬鹿にしたような声で笑った。それもそうだ、何故ならこんな話を信じられる訳が無い。
「押してみたら?ちょっとトイレに行ってくるね。」
そう言って彼女は席を立つ。その一言で何故だか無性にスイッチを押したくなってきた。まぁ爆発したりなんてしないだろう、そんな気持ちでスイッチを押しす。一緒だけ目の前が眩しくなった気がした。

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