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第1章 リセット

「どうしたの?大丈夫?」
彼女はいつの間にか戻っていた。
「何でもないよ。トイレ、随分早かったね。」
「え、トイレなんて行ってないよ?ていうかそれなに?」
彼女は不思議そうな顔をしてスイッチを見ている。さっき説明したばかりじゃないか、そもそもトイレに行ってないなんて嘘をつく必要なんてないだろう。
「さっき説明しただろう?」
この問に更に不思議そうな顔をしている。
「意味わかんない。ちょっとトイレ行ってくるね。」

 もしかして、リセットされたのか?いや、そんな馬鹿な。有り得ない。色んな事が頭の中を回っている。そうだもう一度押しみよう。それでさっきと同じ事が起これば、時間がリセットされたと証明出来る。信じられない話だが。

「どうしたの?大丈夫?」
彼女が目の前にいた。
「大丈夫、気にしないで。」
少し間を空けて応えた。彼女に見つからないようにスイッチを隠した。スイッチには1minuteと表示されていた。

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