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桜の夢

第10章 50cm

「こんな所でどうしたの?公園での練習はいいの?」

「あぁ、いいんだ。今日は心愛に言いたいことがあって来ただけだし」


どくん、と心臓が鳴った。

嫌な予感しかしない。

流星に口を開いて欲しくなかった。

その口から紡ぎだされる言葉を聞きたくなかった。

その言葉を理解したくなかった。


「…しばらくさ、俺達、話すのやめよう」


流星はあの悲しそうで辛そうな笑顔を浮かべていた。

やめてよ。

流星に会いたくなかったけど、そんな笑顔、見たくない。

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