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桜の夢

第11章 黒と水

→SIDE 心愛

あれから数日が経った。

あの夜以来、流星とは話どころか目すら合わせていない。

朝はギリギリに登校し、決して後ろは振り向かない。

休み時間は小百合達と会話をし、授業後は直ぐに帰る。

不自然な位に流星を避けた。

だが、それでも嫌がらせは無くならなかった。

むしろどんどん酷くなるばかりだ。

靴箱の嫌がらせは毎日だし、机の中にゴミを入れられたり、外を歩いていたら上から物を投げられる…。

流石に倒れることはもう無かったが、苦しかった。

しかもその全てが誰からされているのか分からない。

だから敵が誰か分からない。

そして、流星との関係をどうすればいいのか分からない。

この感情を誰にぶつけるべきか、それが苦しかった。

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