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桜の夢

第11章 黒と水

4限目終了のチャイムが鳴り、教室の雰囲気が楽しいものに変わる。


「心愛ー!今日は何処で食べる?」


今日も小百合は笑顔だ。

あの夜、家に帰ってから小百合から電話がかかってきた。

小百合は何故か泣いており、今日のことは気にしなくていいから!としきりに繰り返した。

そんな心遣いが嬉しかったのだが、そんなんで晴れるほど簡単じゃなかった。

心が黒く染まって、何かが溢れる寸前―そんな感じだ。

いっそのこと、溢れた方が楽なのかな?

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