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桜の夢

第11章 黒と水

違う。

流星にこんなことを言いたい訳じゃない。

流星は助けようとしてくれた。

それを駄目にしてしまったのは私だ。

なのに言葉を、心の中の黒いものを止められない。


「もう私に関わらないで…」


私は身体も拭かずに教室から飛び出した。

教室から出る時、流星に呼び止められた。

廊下を走っている時、小百合に呼ばれた。

でも、そんなもの全て無視した。

ただただ、全てから逃げた。

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