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桜の夢

第17章 後悔

「ち、違うの!流星!!」


私は流星に飛び付いて両腕を握る。

流星は無表情になっていた。


「あ、あのね…さっきのは――」

「船橋さんはいいのに、俺のことは拒否するんだな」

「ち、違う!」

「心愛は俺のこと…嫌い……か?」

「っっ!!!」


違う、そうじゃないの。

流星のこと、大好きだよ。

そう思っているのに何故か言葉が出ない。

口が動かなかった。


「…俺、帰るわ」


流星は私の両手をそっと外し、立ち上がった。

私は動くことすら出来ない。


「じゃあな。ごめんな。」


そう言って流星は帰っていった。

ごめんってなんで?

謝るのは私の方だよ?

どうして…どうして……

私はその場で泣き崩れた。

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