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桜の夢

第18章 雨

→SIDE 心愛


キーンコーンカーンコーン―…


チャイムが鳴り、私は顔を上げた。

涙は既に乾いていたが、心ではまだ泣いていた。

心の中の雨はどしゃ降りである。

それを晴らす為に私は流星と話そうと思ったのに…朝から失敗した。

流星はそもそも、私と顔すら合わせたくないんだ。

こんな状態でどうやって話すことができよう…



ガタッ



すぐ後ろから音がした。

流星が帰ってきたようだ。

だが、私は振り向けない。

また避けられたらどうしよう、なんて考えてしまう。

話したい。

でも拒絶されるのは嫌。

どうしたらいいんだろう…

もう分からなかった。

―雨はその日1日中、降り続けた。

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