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桜の夢

第18章 雨

→SIDE 流星

心愛が来た。

でも俺は目も合わせられなかった。

心愛から拒絶の言葉を聞くのが恐い。

表情や視線ですら嫌だ。

だから聞く前、見る前に俺は教室を出た。


「ちょっ…流星君!」


教室を出た後、間瀬に後ろから呼び止められた。


「…なに?」


俺は止まりはしたが、振り向かずに答えた。


「心愛と…何かあったの?」


恐らく間瀬は今のやりとりを見ていたのだろう。

その声には心配の色が滲み出ていた。

だが俺は、そんな声も無視して再び歩き始める。


「ねぇ!」


間瀬は心配なのか着いてきた。

横を歩きながら俺の顔を覗き込む。


「…流星君?」


そして間瀬は止まった。

それ以上は追ってこなかった。










「泣きそうな顔してるじゃない」










間瀬がそう呟いた声は聞こえない振りをした。

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