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桜の夢

第19章 優しさ

それから数日、流星と話せない日が続いた。

端から見た状況としては、私が流星を避けていた時と同じようなものだ。

でも、避ける方と避けられる方ではこんなにも違うのかと苦しくなる。

流星はおもいっきり私を避けていた。

当たり前だけど、桜公園にも来なかった。

決して目を合わせようとしなかったし、なるべく同じ空間にいないようにしているみたいだ。

何度か頑張って話してみようとしたが、その度に流星は逃げてしまう。

その反応が凄く悲しかった。

でもそれが、私のしてしまったことなのだと思う。


「もう嫌だ……」


自然に出たその呟きが、流星の反応に対するものなのか、やらかしてしまった自分になのかは分からない。

はたまた両方かもしれない。

とにかく嫌で嫌で仕方なかった。

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