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桜の夢

第19章 優しさ

そんな状態でバイトをしてたもんだから、上手くいきっこない。

ここ数日で、ミスを連発していた。

オーダーのミス、お釣を間違える…挙げ句にはお客さんに水をぶっかけてしまった。


「ちょっ…!何してくれんの?!」

「…っ!も、申し訳ありません!!」


私はお客さんに対して頭を下げる。

普段ならこんなことしないのに…

仕事に集中出来ていない証拠だ。


「謝って済む問題じゃないわよ!」


お客さんが怒鳴る。

確かにそう思う。

でも、私にはこれしか出来ないんだ。


「本当にすみませんでした」


私は更に頭を下げた。

悔しくて悲しくてどうしようもなくて…

それらに耐えるために下唇を噛み締める。

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