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桜の夢

第19章 優しさ

「どう?落ち着いた?」

「はぃ……ありがとうございます」


あれから数十分間、私は船橋さんの胸で泣き続けた。

年甲斐もなく大泣きしてしまったので、船橋さんから離れても顔が見れなかった。


「もしかして照れてる?」

「えっ?!」


どうやら、こんな私もお見通しらしい。

恐るべし、船橋さん(笑)


「いいんだよ…泣きたいときはおもいっきり泣きな!」

そうして頭をぽんぽんしてくれた。

なんだか凄く安心する…


「そういえば東城さん。今日バイト終わってから時間ある?」

「えっ…今日ですか?」


思わず顔を上げる。

そこにはにこにこ笑う船橋さん。


「……大丈夫ですよ」

「よかった!じゃあちょっと付き合ってね」


船橋さんは子供のような笑みで笑った。

私はまた照れてしまって、さっと顔を伏せた。

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