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桜の夢

第20章 罠と告白

その後、私はずっと裏にいた。

店長には「給料下げないでいてあげるからここで落ち着きな」と言われ、船橋さんはホールに戻っていった。

その優しさに心が温かくなる。

みんないい人たち…それは流星も含めての話。

でも私は傷つけた。

もしかして、私はここの人たちも傷つけてしまうんじゃないか?

それは嫌だ、もうたくさんだ。

人に傷つけられるのも嫌だけど、傷つけるのも嫌だ。


「東城さん?」

「は、はい!」


どうやら私は1人の世界に入っていたらしい。

船橋さんはそんな私の様子を見てくすくすと笑う。

「ちゃんと落ち着いた?」

「はい、ありがとうございます」

「そっか、じゃあ俺の仕事も終わったし行こうか」


私は船橋さんとともに一緒に上がった。

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